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コロナ対応で有利な融資の早見表【兵庫県】

 昨日に続いて,兵庫県が出しているコロナ対応の融資を,いくつか簡単に紹介させていただきます。

 兵庫県も,大阪府と同様,多くのプランが公表されていますが,なかなか理解するのは難しいです。そこで,昨日同様,特に有利なプランピックアップして,表にしてみました。

 

↓↓↓PDFでご覧ください↓↓↓
200507融資早見表(兵庫)

 

 表にしても,よく分からないことが色々と出てきます。
 そこで,若干補足コメントします。

1 日本政策金融公庫(国金)の特別貸付
 ※ここは昨日と同じです。
 ⑴ 開業等の資金で借り入れた融資枠とは別枠なので,既に借入
  れがある方でも申し込み可能です。
 ⑵ 借入れは,6000万円まで可能ですが,金利が実質ゼロにな
  るのは,3000万円までです。
   金利実質ゼロになる特別利子補給制度の申し込みは,これ
  からで,既にこの特別融資を受けた方も申し込めます。
 ⑶ 3000万円を超える部分は,低いですが金利が発生します。
 ⑷ 元本の返済開始は最長5年まで先送りでき,返済期間も
  最長15年または20年と長いのが特徴です。
※ リンク
 制度概要
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html
 特別利子補給制度
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_faq_jisshitsumurishika.pdf

2 新型コロナウイルス対応(無利子)資金
 ⑴ 借入れ当初3年間無利子かつ保証料無料での融資です。
  なお,3年目以降は,金利0.7%保証料0.85%です。
 ⑵ 借入れにあたっては,概ね次の2点の行動が必要です。
  ① 市町村に認定を申請すること
  ② 金融機関に相談・申し込みをすること
 ⑶ 民間の金融機関からの借入れに際し,兵庫県信用保証協会
  の保証を利用して借り入れる制度です。
 ⑷ 表の「市町村長の認定証」とは,上記⑶の保証協会の保証
  を受けるために必要な書類で,市町村に申請します。
 ⑸ 融資の何%が保証されるかには,次の違いがあります。
  ① セイフティネット保証4号(売上20%減)
  ②危機関連保証(売上15%減)
   は融資の100%
  ③セイフティネット保証5号(売上5%減)
   は融資の80%が,それぞれ保証対象になります。
 ⑹ 表には入りきらなかったので書いてませんが,法人と中規模
  個人事業主の売上減少が,5%以上15%未満の場合,金利は
  ゼロにはなりませんが,保証料は半額になります。
 ⑺ 元本の返済開始は最長5年まで先送りでき,返済期間
  最長10年です。
 ⑻ 運転資金,設備資金のほか,借換資金にも用いることができ
  ます。

3 新型コロナウイルス対策貸付
 ⑴ 信用保証協会の保証を利用して,最大2.8億円まで借り入れ
  ることができる制度です。
 ⑵ 保証には,セイフティネット保証4号または5号(認定書が
  必要)と一般保証(県の確認書が必要)があります。
 ⑶ この借入れには,年0.7%の金利と,年0.8%(セイフティ
  ネット保証利用時)または年0.45~1.9%(一般保証)の
  保証料が必要になります。一般保証を用いた場合,セイフ
  ティネット保証より
保証料が高額になる場合があります。
 ⑷ 借換資金として借り入れることはできません
 ⑸ 元本の返済開始は最長2年まで先送りでき,返済期間は
  最長10年
です。

4 新型コロナウイルス危機対応貸付
 ⑴ 信用保証協会の危機関連保証を利用して,最大2.8億円まで
  借り入れることができる制度です。
 ⑵ この借入れには,年0.7%の金利と,年0.8%の保証料が
  必要になります。
 ⑶ 売上の15%以上が減少していれば,利用可能ですが,危機
  関連保証を利用するために市町村長の認定証が必要です。
 ⑷ 借換資金として借入れることが可能な場合があります。
 ⑸ 元本の返済開始は最長2年まで先送りでき,返済期間は
  最長10年
です。

※リンク
 概要
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk03/corona/corona_support2.html
 問合せ窓口一覧
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr08/documents/soudanmadoguchi.pdf
 兵庫県信用保証協会
http://hosyokyokai-hyogo.or.jp/system/corona.html

5 まとめ
 ⑴ 金利と返済期間が有利な順,すなわち「1→2→3か4」の
  順での検討をお勧めします。
 ⑵ 3と4は,金利と返済期限は同じですが,以下の点に違い
  あります。
   ①借換えができるかどうか
   ②保証料が何%になるか(一般保証のとき)
 ⑶ 1の借入れとは別に,2,3および4の制度も利用できます。
 ⑷ 他にもコロナ対策の融資はたくさんありますが,特に有利
  なものだけを挙げました。
 ⑸ 市町村長の認定証は,それほど多くの書類がいる訳ではな
  いので,利用されたことが無い方も,金融機関に相談の上,
  積極的な利用を検討しましょう。

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 髙い金利は,今回のコロナを切り抜けても,後日の経営を圧迫
 します。
  手続は複雑ですが,後日の円滑な経営のためにも,金融機関に
 相談
しながら,きちんとした制度を利用しましょう。
借入れを検討される方は,まず金融機関に相談して下さい。