弁護士業務、法律に関することなど、あれこれ綴っています。

4月2014

遺言の意義

最近「遺言」をすることの重要性が広まってきたように思います。

遺言をされる動機としては、①ご自身が亡くなった後に親族間でトラブルが生じるのを防ぎたい、②特定の相続人には遺産を渡したくない、というものが多いように思います。これらの動機で遺言される方は、ほとんど相続人がおられることを前提としておられます。

では、相続人がおられない方の場合、遺言をする意義はないのでしょうか。

結論は「No」です。相続人がおられない方でも遺言をする意義は十分にあります。

そもそも、相続人がおられない方の場合、その遺産は最終的に国庫、つまり国のものになります(民法959条)。ところが、相続人がおられない方であっても「世話になった方に遺産をあげたい。」、「慈善団体に寄付したい。」、「国のものになるとしても、社会福祉に役立ててほしい。」等色々な想いがあるのではないでしょうか。それらの想いを実現するためには、遺言をしておく必要があるのです(被相続人の世話をした人の場合、特別縁故者として、遺産をもらえることもありますが、家庭裁判所での手続が必要です〔民法958条の3〕)。

もっとも、遺言書を作成するだけでは、万が一の時、誰が遺言書の内容を実現してくれるのか分かりません。そこで、遺言書の中で「遺言執行者」という遺言の内容を実現させるための担当者を定めておくのが、スムーズな遺言の実現にとって不可欠でしょう。

当事務所では、遺言書の作成のから、遺言執行者として遺言を実現するまでの相談を広くお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。